梵鐘と醍醐の桜

熊本地震復興の2つのシンボル

菩提樹苑のいちばん高台では、鐘楼堂と1本の桜の木が熊本を見下ろしています。私たちが桜の木を植樹し、梵鐘を建立したのは熊本地震発生の1年後。復興への祈りを込めての取り組みでした。桜の木と梵鐘についてご紹介します。

醍醐寺の由緒ある「醍醐の桜」

菩提樹苑の管理母体である本蔵院は真言宗の寺院です。この真言宗の総本山・京都の醍醐寺には「醍醐の桜」と呼ばれるしだれ桜があります。もともと桜の名所であった醍醐寺は平安時代から「花の醍醐」と呼ばれるほど。4月にはしだれ桜をはじめ、ソメイヨシノやヤマザクラなど約1000本の桜が咲き乱れます。
さらに醍醐寺は慶長3年に、最晩年の豊臣秀吉が贅を尽くした「醍醐の花見」を行ったことでも知られます。醍醐寺内の「太閤しだれ桜」は、秀吉の花見の頃からあったとされる、歴史ある桜です。近年、バイオテクノロジーを用いてこの桜のクローンが作られました。
菩提樹苑ならびに加藤神社、阿蘇神社に植樹された「醍醐の桜」は、太閤しだれ桜のクローン。百螺祈願への取り組みに賛同いただいた醍醐寺から譲り受けた、熊本に3本しかない桜です。これからも、阿蘇神社・熊本城(加藤神社)・菩提樹苑の桜を結ぶ線が結界となり、熊本を守り続けてくれることでしょう。

熊本への祈りを響かせる「復興の鐘」

熊本地震一周忌に合わせ、醍醐の桜横に建立されているのが、「復興の鐘」です。
宇治平等院の国宝の鐘を模写した「平等院型」。鐘の直径は三尺(約0.9m)、鐘身(高さ)は五尺六寸(約1.7m)、重さ250貫(約940kg)の大鐘です。本蔵院の御本尊である不動明王の種字の梵字や仏教の悟りの言葉、百螺祈願の内容に加え、この鐘の建立にご賛同いただいた方のお名前も彫られています。
震災後1年に間に合わせるために梵鐘制作の「岩澤の梵鐘(京都)」様ならびに、鐘楼堂建築の「志田建設」様にご協力いただき、急ピッチでの完成が実現しました。
当苑の最も眺めのよい場所に設置された梵鐘は、訪れる方が自由に撞いていただけるように開放しています。さらに、鐘楼堂前のスペースは「鐘楼堂広場」と呼ばれ、8月の「盂蘭盆会万灯供養」や、大晦日の「除夜の鐘」など、多くの人が集まる場所となっています。
地震で傷ついた熊本に祈りを届けるシンボルとなる「復興の鐘」。当苑は、建立に込められた想いを大切に、鐘楼堂を後世に伝えていきたいと考えています。

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